// Resources for SEEN0815.TXT
// #character '朋也'
#character 'Tomoya'
// #character '河南子'
#character 'Kanako'
// #character '智代'
#character 'Tomoyo'
// <0000> 8月15日(日)
<0000> August 15th (Sun)
// <0001> 朝からスチール棚の据付作業をしていた。
<0001> 朝からスチール棚の据付作業をしていた。
// <0002> \{朋也}(…ここに黒板を置くか)
<0002> \{Tomoya}(…ここに黒板を置くか)
// <0003> 簡単に書いた図面を元に、配置場所を決めて組み上げていく。
<0003> 簡単に書いた図面を元に、配置場所を決めて組み上げていく。
// <0004> \{河南子}「ねぇねぇ、みてみて、いいでしょ、ホットケーキ!」
<0004> \{Kanako}「ねぇねぇ、みてみて、いいでしょ、ホットケーキ!」
// <0005> 突然河南子の声がしたので、顔を上げると、河南子はクレープのように紙に巻いたホットケーキを見せびらかした。
<0005> 突然河南子の声がしたので、顔を上げると、河南子はクレープのように紙に巻いたホットケーキを見せびらかした。
// <0006> \{河南子}「なんと中にはアイスが挟んであるのだ」
<0006> \{Kanako}「なんと中にはアイスが挟んであるのだ」
// <0007> \{朋也}「どうしたんだよ、それ」
<0007> \{Tomoya}「どうしたんだよ、それ」
// <0008> \{河南子}「一緒に作った」
<0008> \{Kanako}「一緒に作った」
// <0009> \{朋也}「またか」
<0009> \{Tomoya}「またか」
// <0010> \{河南子}「違うよ、村の人が一緒に作ろうって誘ってくれたんだよ」
<0010> \{Kanako}「違うよ、村の人が一緒に作ろうって誘ってくれたんだよ」
// <0011> \{朋也}「へぇ…」
<0011> \{Tomoya}「へぇ…」
// <0012> \{河南子}「みんなで楽しかったよ」
<0012> \{Kanako}「みんなで楽しかったよ」
// <0013> \{朋也}「そりゃいいけど、迷惑とかかけてないだろうな」
<0013> \{Tomoya}「そりゃいいけど、迷惑とかかけてないだろうな」
// <0014> \{河南子}「ちゃんとお礼も言ったし、みんな笑ってたよ」
<0014> \{Kanako}「ちゃんとお礼も言ったし、みんな笑ってたよ」
// <0015> \{朋也}「そっか、じゃ、その調子で仲良くな」
<0015> \{Tomoya}「そっか、じゃ、その調子で仲良くな」
// <0016> \{朋也}「あれ、おまえ、智代は」
<0016> \{Tomoya}「あれ、おまえ、智代は」
// <0017> \{河南子}「あー、大丈夫、大丈夫、ちゃんと見てるってば」
<0017> \{Kanako}「あー、大丈夫、大丈夫、ちゃんと見てるってば」
// <0018> \{河南子}「じゃあねー」
<0018> \{Kanako}「じゃあねー」
// <0019> 結局、食べ物を見せびらかしにきただけのようだった。
<0019> 結局、食べ物を見せびらかしにきただけのようだった。
// <0020> \{朋也}(子供かよ…)
<0020> \{Tomoya}(子供かよ…)
// <0021> 再び図面に目を落とす。
<0021> 再び図面に目を落とす。
// <0022> 午後には、智代が訪れた。
<0022> 午後には、智代が訪れた。
// <0023> \{智代}「なぁ、朋也…」
<0023> \{Tomoyo}「なぁ、朋也…」
// <0024> \{朋也}「うん?」
<0024> \{Tomoya}「うん?」
// <0025> \{智代}「先に帰ろうと思うんだ」
<0025> \{Tomoyo}「先に帰ろうと思うんだ」
// <0026> \{朋也}「どうして」
<0026> \{Tomoya}「どうして」
// <0027> 手を止めて、向き合う。
<0027> 手を止めて、向き合う。
// <0028> \{智代}「ともが心配なんだ…」
<0028> \{Tomoyo}「ともが心配なんだ…」
// <0029> \{朋也}「鷹文がいるだろ」
<0029> \{Tomoya}「鷹文がいるだろ」
// <0030> \{智代}「あんな頼りない奴には任せておけない」
<0030> \{Tomoyo}「あんな頼りない奴には任せておけない」
// <0031> \{朋也}「おまえ、矛盾してるぞ」
<0031> \{Tomoya}「おまえ、矛盾してるぞ」
// <0032> \{朋也}「ともの母親には、しっかり者だから心配ないって言ってたじゃないか」
<0032> \{Tomoya}「ともの母親には、しっかり者だから心配ないって言ってたじゃないか」
// <0033> \{智代}「そういう意味じゃない…」
<0033> \{Tomoyo}「そういう意味じゃない…」
// <0034> \{智代}「寂しい思いをしていると思うんだ…」
<0034> \{Tomoyo}「寂しい思いをしていると思うんだ…」
// <0035> \{智代}「私じゃないと…」
<0035> \{Tomoyo}「私じゃないと…」
// <0036> \{智代}「約束したから…」
<0036> \{Tomoyo}「約束したから…」
// <0037> \{智代}「ともは私と遊びたいはずなんだ…」
<0037> \{Tomoyo}「ともは私と遊びたいはずなんだ…」
// <0038> \{朋也}「悪いが…」
<0038> \{Tomoya}「悪いが…」
// <0039> \{朋也}「おまえだけ先に帰らせるわけにはいかない」
<0039> \{Tomoya}「おまえだけ先に帰らせるわけにはいかない」
// <0040> \{朋也}「帰る時は一緒だ」
<0040> \{Tomoya}「帰る時は一緒だ」
// <0041> \{智代}「嫌だ、ともと一緒にいたいんだっ」
<0041> \{Tomoyo}「嫌だ、ともと一緒にいたいんだっ」
// <0042> \{朋也}「それはおまえのわがままだろう」
<0042> \{Tomoya}「それはおまえのわがままだろう」
// <0043> \{智代}「………」
<0043> \{Tomoyo}「………」
// <0044> \{朋也}「いや、ぜんぶおまえのわがままだ」
<0044> \{Tomoya}「いや、ぜんぶおまえのわがままだ」
// <0045> \{朋也}「ともは、母親との暮らしを選ぶ」
<0045> \{Tomoya}「ともは、母親との暮らしを選ぶ」
// <0046> \{朋也}「そして、俺たちとともの生活は終わる」
<0046> \{Tomoya}「そして、俺たちとともの生活は終わる」
// <0047> \{朋也}「楽しかったな」
<0047> \{Tomoya}「楽しかったな」
// <0048> \{朋也}「そのことをちゃんと理解して、帰ろうな」
<0048> \{Tomoya}「そのことをちゃんと理解して、帰ろうな」
// <0049> \{智代}「………」
<0049> \{Tomoyo}「………」
// <0050> \{智代}「本当に、それが正しいのか…」
<0050> \{Tomoyo}「本当に、それが正しいのか…」
// <0051> \{智代}「ともがそれを選んだとしても、それが正しいとは限らない」
<0051> \{Tomoyo}「ともがそれを選んだとしても、それが正しいとは限らない」
// <0052> \{智代}「そもそも母親がそれを望んでいるのか?」
<0052> \{Tomoyo}「そもそも母親がそれを望んでいるのか?」
// <0053> \{朋也}「まだ望んでいない」
<0053> \{Tomoya}「まだ望んでいない」
// <0054> \{智代}「じゃあ、おまえは何をしているんだ」
<0054> \{Tomoyo}「じゃあ、おまえは何をしているんだ」
// <0055> \{智代}「全部無駄になるかもしれないぞ」
<0055> \{Tomoyo}「全部無駄になるかもしれないぞ」
// <0056> \{朋也}「母親も説得する」
<0056> \{Tomoya}「母親も説得する」
// <0057> \{智代}「それじゃあ、ともがまた不幸になってしまうじゃないか…」
<0057> \{Tomoyo}「それじゃあ、ともがまた不幸になってしまうじゃないか…」
// <0058> \{智代}「私だったらともを…幸せにできる…」
<0058> \{Tomoyo}「私だったらともを…幸せにできる…」
// <0059> \{智代}「するから…」
<0059> \{Tomoyo}「するから…」
// <0060> \{智代}「誓うから…」
<0060> \{Tomoyo}「誓うから…」
// <0061> \{智代}「お願いだ…」
<0061> \{Tomoyo}「お願いだ…」
// <0062> 体を震わせて、声を絞り出す。
<0062> 体を震わせて、声を絞り出す。
// <0063> 最後には嗚咽になっていた。
<0063> 最後には嗚咽になっていた。
// <0064> \{朋也}「河南子っ」
<0064> \{Tomoya}「河南子っ」
// <0065> 呼ぶと、木陰が揺れる。
<0065> 呼ぶと、木陰が揺れる。
// <0066> そこに河南子が立っていた。
<0066> そこに河南子が立っていた。
// <0067> \{朋也}「智代に花畑を見せてやってくれ」
<0067> \{Tomoya}「智代に花畑を見せてやってくれ」
// <0068> こくと河南子が頷く。
<0068> こくと河南子が頷く。
// <0069> \{朋也}「智代、きれいな場所があるらしいんだ。見に行ってこい」
<0069> \{Tomoya}「智代、きれいな場所があるらしいんだ。見に行ってこい」
// <0070> \{智代}「………」
<0070> \{Tomoyo}「………」
// <0071> \{河南子}「さ、先輩、いっしょにいこ。きれいなお花いっぱい咲いてるんだよ」
<0071> \{Kanako}「さ、先輩、いっしょにいこ。きれいなお花いっぱい咲いてるんだよ」
// <0072> \{河南子}「ほら、いーきーーまーーしょーーーーっ!!」
<0072> \{Kanako}「ほら、いーきーーまーーしょーーーーっ!!」
// <0073> その手をつかんで、河南子が力任せに智代をひきずっていく。。
<0073> その手をつかんで、河南子が力任せに智代をひきずっていく。。
// <0074> すがるような目がずっとこちらに向いたままだった。
<0074> すがるような目がずっとこちらに向いたままだった。
// <0075> \{朋也}「ふぅ…」
<0075> \{Tomoya}「ふぅ…」
// <0076> 作業に戻った。
<0076> 作業に戻った。
// <0077> 日が暮れる。
<0077> 日が暮れる。
// <0078> \{河南子}「今日の報告」
<0078> \{Kanako}「今日の報告」
// <0079> \{河南子}「ふたりで花を見ました」
<0079> \{Kanako}「ふたりで花を見ました」
// <0080> \{河南子}「いろいろ話をされました」
<0080> \{Kanako}「いろいろ話をされました」
// <0081> \{河南子}「名案のように、多数決をとろうと言い出しました」
<0081> \{Kanako}「名案のように、多数決をとろうと言い出しました」
// <0082> \{河南子}「河南子と鷹文はともと一緒に暮らすほうを選んでくれるな?と訊かれました」
<0082> \{Kanako}「河南子と鷹文はともと一緒に暮らすほうを選んでくれるな?と訊かれました」
// <0083> \{朋也}「え…」
<0083> \{Tomoya}「え…」
// <0084> 手が止まる。
<0084> 手が止まる。
// <0085> \{朋也}「で…どうした…」
<0085> \{Tomoya}「で…どうした…」
// <0086> \{河南子}「正直に答えたら、崩れ落ちました」
<0086> \{Kanako}「正直に答えたら、崩れ落ちました」
// <0087> \{河南子}「支えて帰ってくるのが大変でした」
<0087> \{Kanako}「支えて帰ってくるのが大変でした」
// <0088> \{朋也}「そっか…」
<0088> \{Tomoya}「そっか…」
// <0089> \{朋也}「おまえもちゃんとわかってくれてたんだな」
<0089> \{Tomoya}「おまえもちゃんとわかってくれてたんだな」
// <0090> \{河南子}「先輩ほど子供じゃないっすよ」
<0090> \{Kanako}「先輩ほど子供じゃないっすよ」
// <0091> \{河南子}「鷹文のやつもね」
<0091> \{Kanako}「鷹文のやつもね」
// <0092> 俺も含めて、みんな子供だと思ったけど…
<0092> 俺も含めて、みんな子供だと思ったけど…
// <0093> それでもふたりの援護は心強く思えた。
<0093> それでもふたりの援護は心強く思えた。