Tomoyo After:SEEN0821

From Baka-Tsuki
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// #character '河南子'
#character 'Kanako'

// #character '朋也'
#character 'Tomoya'

// #character '村人'
#character 'Villager'

// #character '老婆'
#character 'Old woman'

// #character 'クマ'
#character 'Bear'

// #character '智代'
#character 'Tomoyo'


// <0000> 8月21日(土)
<0000> August 21st (Sat)

// <0001> \河南子「今日も来ましたね」
<0001> \Kanako「今日も来ましたね」

// <0002> 大きな頭をしたクマがのっそりと現れる。
<0002> 大きな頭をしたクマがのっそりと現れる。

// <0003> 村人たちと今日もよろしく、とハイタッチしている。
<0003> 村人たちと今日もよろしく、とハイタッチしている。

// <0004> \河南子「うおぉ、なんかスポーツ選手みたいでかっこいいな…」
<0004> \Kanako「うおぉ、なんかスポーツ選手みたいでかっこいいな…」

// <0005> さっそく仕事を始め、ありえない量の材料を担ぎ出した。
<0005> さっそく仕事を始め、ありえない量の材料を担ぎ出した。

// <0006> それも村人たちにとっては見慣れた姿だった。
<0006> それも村人たちにとっては見慣れた姿だった。

// <0007> 中が、あの線の細い智代だと知ったら、腰を抜かすんじゃないだろうか。
<0007> 中が、あの線の細い智代だと知ったら、腰を抜かすんじゃないだろうか。

// <0008> \河南子「ほっと」
<0008> \Kanako「ほっと」

// <0009> 河南子が体のバネだけで跳ねるように立ち上がる。
<0009> 河南子が体のバネだけで跳ねるように立ち上がる。

// <0010> \河南子「………」
<0010> \Kanako「………」

// <0011> 無言で笑いを押し隠したまま、手を振って皆を注目させる。
<0011> 無言で笑いを押し隠したまま、手を振って皆を注目させる。

// <0012> そして、作業に没頭するクマの背後に近づいていった。
<0012> そして、作業に没頭するクマの背後に近づいていった。

// <0013> その背中に手を伸ばし…
<0013> その背中に手を伸ばし…

// <0014> ちーっ!
<0014> ちーっ!

// <0015> チャックを下ろした!
<0015> チャックを下ろした!

// <0016> うおおおぉぉーーーっ!
<0016> うおおおぉぉーーーっ!

// <0017> どよめきが上がる。
<0017> どよめきが上がる。

// <0018> なんと、中は、素肌だった!
<0018> なんと、中は、素肌だった!

// <0019> ブラの白い線だけが走っていた。
<0019> ブラの白い線だけが走っていた。

// <0020> \河南子「うわ、失礼…」
<0020> \Kanako「うわ、失礼…」

// <0021> \河南子「まさか下着だとは思わなかったもので…」
<0021> \Kanako「まさか下着だとは思わなかったもので…」

// <0022> \河南子「ですよね、暑いですもんねぇ…」
<0022> \Kanako「ですよね、暑いですもんねぇ…」

// <0023> ちーっ…と静かにチャックを戻す。
<0023> ちーっ…と静かにチャックを戻す。

// <0024> クマが振り返る。
<0024> クマが振り返る。

// <0025> 担いだ角材が河南子の頭上をぶんっとかすめる。
<0025> 担いだ角材が河南子の頭上をぶんっとかすめる。

// <0026> \河南子「うおっと」
<0026> \Kanako「うおっと」

// <0027> 寸前で腰を落とし河南子はクマの足に自分の足を引っかけていた。
<0027> 寸前で腰を落とし河南子はクマの足に自分の足を引っかけていた。

// <0028> くるりと反転すると、クマがバランスを崩す。
<0028> くるりと反転すると、クマがバランスを崩す。

// <0029> が、角材で地面をついて体重を支える。
<0029> が、角材で地面をついて体重を支える。

// <0030> 絡み合った足を逆に回転させた。
<0030> 絡み合った足を逆に回転させた。

// <0031> \河南子「うわっ」
<0031> \Kanako「うわっ」

// <0032> 今度は河南子の手が地面を離れ、バランスを崩す。
<0032> 今度は河南子の手が地面を離れ、バランスを崩す。

// <0033> 両手を地につけて体を宙で反転させると、河南子はクマに対して蹴りを繰り出す。
<0033> 両手を地につけて体を宙で反転させると、河南子はクマに対して蹴りを繰り出す。

// <0034> ばばっ!
<0034> ばばっ!

// <0035> クマも角材だけで体重を支えたままその蹴りに蹴りで応戦する。
<0035> クマも角材だけで体重を支えたままその蹴りに蹴りで応戦する。

// <0036> ばばばばっ!
<0036> ばばばばっ!

// <0037> \朋也「おーすげぇ。カンフー映画のようじゃん」
<0037> \Tomoya「おーすげぇ。カンフー映画のようじゃん」

// <0038> 作業場は、いつしかふたりの決闘の場と化していた。
<0038> 作業場は、いつしかふたりの決闘の場と化していた。

// <0039> 皆も手を止めて、歓声を上げながらしばし余興に見入っていた。
<0039> 皆も手を止めて、歓声を上げながらしばし余興に見入っていた。

// <0040> \河南子「わた、わた、わたぁっ!」
<0040> \Kanako「わた、わた、わたぁっ!」

// <0041> \村人「うおぉ、かなちゃんがすごい速さの蹴りを放つ!」
<0041> \Villager「うおぉ、かなちゃんがすごい速さの蹴りを放つ!」

// <0042> \村人「うおぉ、こちらも見た目からは想像もできない素早さで避けきった!」
<0042> \Villager「うおぉ、こちらも見た目からは想像もできない素早さで避けきった!」

// <0043> \河南子「さすがだ、そうこなくちゃねぇ」
<0043> \Kanako「さすがだ、そうこなくちゃねぇ」

// <0044> \河南子「いつか、あんたとは雌雄を決しなくちゃって思ってたんだよね」
<0044> \Kanako「いつか、あんたとは雌雄を決しなくちゃって思ってたんだよね」

// <0045> \村人「かなちゃんと、あのクマには因縁がっ!?」
<0045> \Villager「かなちゃんと、あのクマには因縁がっ!?」

// <0046> \老婆「かつては敵同士だったのやもしれぬ…」
<0046> \Old woman「かつては敵同士だったのやもしれぬ…」

// <0047> \村人「婆さま!」
<0047> \Villager「婆さま!」

// <0048> \老婆「それが奇しくも、こんな辺鄙な村で再会することに…まこと数奇な運命よ…」
<0048> \Old woman「それが奇しくも、こんな辺鄙な村で再会することに…まこと数奇な運命よ…」

// <0049> 適当な憶測が飛び交う。
<0049> 適当な憶測が飛び交う。

// <0050> \クマ「……?」
<0050> \Bear「……?」

// <0051> 当の智代はさっぱり状況を理解していない様子だ。
<0051> 当の智代はさっぱり状況を理解していない様子だ。

// <0052> \河南子「実は、逃げてたんだよねぇ、ずっと…」
<0052> \Kanako「実は、逃げてたんだよねぇ、ずっと…」

// <0053> \河南子「女であたしより強い奴がいるなんて、認めたくなかったから…」
<0053> \Kanako「女であたしより強い奴がいるなんて、認めたくなかったから…」

// <0054> \河南子「いや、半分ぐらい認めてんだけどね…」
<0054> \Kanako「いや、半分ぐらい認めてんだけどね…」

// <0055> \河南子「全部っつーか、すっきりさせたいじゃん…」
<0055> \Kanako「全部っつーか、すっきりさせたいじゃん…」

// <0056> \河南子「面と向かってなら、あんたもやりにくいだろうけどさ…」
<0056> \Kanako「面と向かってなら、あんたもやりにくいだろうけどさ…」

// <0057> \河南子「今は誰でもない一匹のクマだ…受けてくれるよね?」
<0057> \Kanako「今は誰でもない一匹のクマだ…受けてくれるよね?」

// <0058> \クマ「……?」
<0058> \Bear「……?」

// <0059> \河南子「村人さんたちにお願いあんだけどさっ」
<0059> \Kanako「村人さんたちにお願いあんだけどさっ」

// <0060> \村人「なんだい、かなちゃん」
<0060> \Villager「なんだい、かなちゃん」

// <0061> \河南子「あたしにもしものことがあったら…」
<0061> \Kanako「あたしにもしものことがあったら…」

// <0062> \村人「あったら…?」
<0062> \Villager「あったら…?」

// <0063> \河南子\size21「この村を河南子村という名前にして、あたしの銅像たてて、訪れる観光客にかつてここには村のために世界最強のクマと勇敢に戦い、そして散っていった可憐な少女がいたこと千年ぐらい伝承として伝えて…」
<0063> \Kanako\size21「この村を河南子村という名前にして、あたしの銅像たてて、訪れる観光客にかつてここには村のために世界最強のクマと勇敢に戦い、そして散っていった可憐な少女がいたこと千年ぐらい伝承として伝えて…」

// <0064> \老婆「ああぁぁ! あの子は死ぬつもりだよっ」
<0064> \Old woman「ああぁぁ! あの子は死ぬつもりだよっ」

// <0065> \村人「そ、そんなぁ、かなちゃんっ」
<0065> \Villager「そ、そんなぁ、かなちゃんっ」

// <0066> \河南子「これがあたしの生き様だああぁーーーっ、うおりゃあああぁぁぁーーーっ!」
<0066> \Kanako「これがあたしの生き様だああぁーーーっ、うおりゃあああぁぁぁーーーっ!」

// <0067> そんな、ふたりの戦いの結末はさておき。
<0067> そんな、ふたりの戦いの結末はさておき。

// <0068> 智代…クマのお陰で、おかしなぐらい工事ははかどった。
<0068> 智代…クマのお陰で、おかしなぐらい工事ははかどった。

// <0069> 重機のない村だから、角材などの大きな材料を運ぶのが難しい。
<0069> 重機のない村だから、角材などの大きな材料を運ぶのが難しい。

// <0070> そういった協力をしてくれた智代に感謝した。
<0070> そういった協力をしてくれた智代に感謝した。

// <0071> 掘り起こされた蛍光灯が天井に据えつけられた。
<0071> 掘り起こされた蛍光灯が天井に据えつけられた。

// <0072> 黒板も梁と柱にがっちりと固定される。
<0072> 黒板も梁と柱にがっちりと固定される。

// <0073> 畳だった床はこれからのことも考えられ、板葺きへと姿を変える。
<0073> 畳だった床はこれからのことも考えられ、板葺きへと姿を変える。

// <0074> 一角では、古めかしいが上等な座卓を加工して、教壇が作られていた。
<0074> 一角では、古めかしいが上等な座卓を加工して、教壇が作られていた。

// <0075> 使われなかったものたちが、新しい命を吹き込まれ、ひとつ、またひとつ未来へと。
<0075> 使われなかったものたちが、新しい命を吹き込まれ、ひとつ、またひとつ未来へと。

// <0076> まだ見ぬひとりの少女のために。
<0076> まだ見ぬひとりの少女のために。

// <0077> \智代「相手はクマだったのだろう? 怪我がなかっただけでも十分河南子はすごいと思うぞ?」
<0077> \Tomoyo「相手はクマだったのだろう? 怪我がなかっただけでも十分河南子はすごいと思うぞ?」

// <0078> \河南子「キィィィーーーーッ!」
<0078> \Kanako「キィィィーーーーッ!」

// <0079> 智代、おまえはすごい。
<0079> 智代、おまえはすごい。

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